
ここで 。
変数の範囲は
ここで は、
の
番目の解(
)
シンバル持ったカネゴンのようなクエン曲面です。
下半分は背中で閉じて終わる、webでよくみる、たおやかで女性的な印象すら感じる曲面。
上半分は欲張ってさらに5/4回転した結果、男性的というか、カネゴンというか、中国の不思議な役人というか、禍々しささえ感じる曲面となっております。
今回は設計から工作まで、数々の困難に遭遇し、完成まで実に4ヶ月かかりました。まさに数学的ペーパークラフトの醍醐味でしょう、いやまだ4作目だけど。
数回に分けて、苦労した点をご紹介したいと思います。
名前
クエン曲面は1884年ドイツ人のセオドール・クエンによって研究されたことでその名前が付いた、負の一定ガウス曲率をもった曲面。と、wikipedia(英語版)には書いてあります。
このクエンさんはクエン酸を発見したクエンさんの関係者だったりするんだろうか、と思ってクエン酸を調べると
枸櫞(くえん)とは漢名でマルブシュカン(シトロン)を指す。
クエン酸は人名ではなく漢語由来だったのか。。。
しかしクエン酸は、中国語では、柠檬酸、つまり檸檬(レモン)酸です。なんとねじれた状況。
クエン曲面のセオドール・クエンさんについてはほとんど情報が得られませんでした。
概要
Webで検索すると下図のような絵がよく出てくる。人間っぽい。私は、シンバルを持った女性のような印象を受ける。この人間っぽさが、芸術家心を刺激するのか、芸術作品としてクエン曲面を扱った例もいくつか存在する。

式から判ることは、まず、 と、
だけの関数なので、
は動径方向の回転角度を表わしている。
の正負で
は不変、
は符号だけが変わるので、
の正負で左右対称。上下方向つまり
については
両方が関係するが、
が大きくなると、
なので、
の式の後半は分子分母がキャンセルし
と
に依存しなくなっていく。
は
の符号だけを変え
を不変に保つので、
の正負で上下対称となる。
の絶対値を大きくしていくと正負両側から半周して背中で交差する。交差するのは、
なので
で表わされる。複数の解をもつが、後ろで最初に交差するのは最初の解で
。
そこで、ん?じゃあ、をそれ(
)を超えて延ばすとどうなるんだっけ?と思ってしまったのが後から考えると運のツキだった。
片側だけ、 まで延長した結果が以下。

ああ、これはシンバルを除けば、ディニの曲面そっくりではないか。ディニ曲面は一方にネジネジして伸びるだけだったが、クエン曲面は から
を減らしていくとディニの曲面のようにネジネジしながら
を降りてきて、
でシンバルの所で一回ひねって、
では今度は
を上に昇って行く形になる。ああ、だからクエン曲面はソリトン解ともよばれるのね。
しかもネジネジまで作ると女性的たおやかさは消えて男性的な印象さえ受ける。これは面白い。ネジネジまで作ろう。ネジネジはディニでもう慣れてる(嘘でした)。
下半分は女性っぽい普通のクエン曲面、上半分は男性っぽい延長クエン曲面、の合わせ技でいこう。
ということで、方針が大体定まった。
(が、今から思えば、このネジネジが膨大な計算と工作の手間を要求することになった)。

Wedge, self-intersection
https://mathpapercraft.hatenablog.jp/entry/2026/03/18/042636
rearrange face
https://mathpapercraft.hatenablog.jp/entry/2026/03/25/4_2_Kuen_surface%2C_design
ペパクラデザイナー
https://mathpapercraft.hatenablog.jp/entry/2026/03/25/4_2_Kuen_surface%2C_design
クエン曲面通常形態
https://mathpapercraft.hatenablog.jp/entry/2026/04/01/4_3_Kuen_surface%2C_famous_form
クエン曲面完成
https://mathpapercraft.hatenablog.jp/entry/2026/04/08/4_4_Kuen_surface%2C_Finish