数学っぽいペーパークラフト

Mathematical Papercraft blog

1. (2,3) Torus knot

Handmade papercraft of a torus knot

まずは最初のトライアル。三葉結び目。いたるところ滑らかで特異点などない。面そのものはトーラスと同じトポロジー。

三谷先生のページ(https://mitani.cs.tsukuba.ac.jp/ja/software/js/torus_knot/torus_knot_param.html) を利用させていただいた。r=0.7, R=2, r方向の分割は8、R方向の分割は50とした。objファイルを生成し、ペパクラデザイナーに持って行って展開図を作って、印刷、制作した。これより後の作品は、面の生成には blender-python を使うことにしたので、今回は例外。

あらためて完成写真を見ると、分割を粗くした分、面の滑らかな感じはなくなっていて、なかなか美しいとは言い難い。再挑戦が必要だろう。

(p,q)トーラス結び目は、トーラス面上に、トーラスの動径に沿って回転しながらトーラスの腕に巻き付く曲線を描き、

 (x,y,z)=\left((R+r\cos pt)\cos qt,(R+r\cos pt)\sin qt,r\sin pt\right)

 (p,q)=(2,3), t\in[0,2\pi)

この曲線を有限サイズに膨らませることで作られる。

が、ここで、気になってしまうのは、トーラス動径方向の角速度は一定  qt なので、原点に近い時は速度が遅く原点から遠くなると速度が速くなり、途中でくにょっ、と曲る(曲率が大きく変わる)ことになる。

papercraft of a torus knot

多くのWebページでこの描き方が説明されているし、単純かつ、絡まり合いの大きい結び目でも自己交差などおきにくいこの式が汎用的で数学的に必要十分なのだろうが、図形としては美しくないと思う。今回はこの式で作ったが、少なくとも(2,3)のような簡単な結び目の場合、より滑かな多様体になるよう再設計したいと思っている。

ペパクラデザイナーでの展開図作りは、ほぼ初めて。展開図をソフトまかせで作ると高い確率で滅茶苦茶になる。なぜそう展開した?みたいな不思議な展開が行なわれる。(多分傾きの変化が小さい面をより長く繋げるようなアルゴリズムなんだと想像する。テクスチャは数学的オブジェクトではあまり関係ない)。Blenderで展開図を作っても同じかより酷い。ペパクラが偉いのはそこからの修正が非常に直観的。のりしろの付け方も修正できる。今回は、縦長部品が多くなるように修正してみた。(以下は修正後)。

縦長と横長をどう混ぜるか、は数学的ペーパークラフトにおいてはかなり重要な問題であると、後々(この記事を書いている現在)思った。

作っている途中。見ての通り長い部品が狭い所に集中するのでかなり大変になる。最終的な配置を意識しながら作っていかないと取り回しできなくなる。そしてなんかタコっぽい。

making torus knot papercraft, like octopus

建物やアニメキャラのペーパークラフトでは、色や形でどこの部品なのかだいたい特定できるし、順番に作っていくことができるのだが、数学ペパクラでは、同じ構造の繰り返しになる上に、今回のような場合、多くの部品を同時に組み上げることが必要になり、どれがどの部品だかすぐ判らなくなる。結局紙の裏に番号を書いた。

思った以上に難しくて最後の方は雑になってしまった。遠目だとそれっぽく見えるかも。トータルだと20時間くらい。もっと絡み目の多いやつも作りたいけど、三葉でこれだけ苦戦してちょっと躊躇。